CAKEみたいなの
バンドやりたいんだっ! というだけの季節はたぶん過ぎ去っていったのだろうな、最近そんなことをよく考えます。
そんで今は、「じゃあどんなバンドやりたいんだ?」って話。
今さら感は言うまでもないのですが、なんだかんだ言って引き出しの中身だけでここまできてしまった。
まぁそんな言うほどがっつり活動してないけどね。
それでだ。
まだ今の路線、在庫があるといえばあるんですが、なんか自分でも飽きてきちゃったのでちょっと味付けを変えていきたいわけですよ。
再度問う、どんなバンドがやりたいんだ?
はい、私CAKE(ケイク)みたいなバンドがやりたいんです。
CAKEは現存するアメリカのバンドで、もう25年近いキャリアがあるのかな、ジャンル的にはオルタナ以降のくくりに入ると思います。
といっても轟音ギター+メランコリックなメロディというオルタナの典型的なサウンドとはまったくかけはなれた、ルーツ色の濃い骨太なアメリカンロックを身上とし、その音楽性はしばしばオルタナ・カントリーとも形容される。
ま、とにかくこんな感じですね。
Cake - Satan Is My Motor - YouTube
うーん、めちゃくちゃいいな、たまらん。
まずこの乾いた感触がいい。
メロディ、ギターのフレーズから音色、全部乾いてるでしょ、ヴェンダースの「パリ・テキサス」とかそういったロードムービー観てるみたいだ。
そんでタイトなリズム、とにかく引き締まったリズム隊。
この辺が明らかにオルタナ以降というか、「いなたさ」に決して逃げ込むことのない覚悟を感じる、自分たちは単にレイドバックしたアメリカンロックやってんじゃねぇ、という覚悟。
そして何より、強力な個性を宿しながら、高性能な楽器のようですらあるヴォーカル。
一発でジョン・マックレアだってわかる独自表現として成立していながら、サウンドの一部としてアンサンブルに貢献するその機能性。
つまりトータルでいうと、これはものすごく批評的な音楽なんですよ、ルーツロックに対してもオルタナロックに対してもものすごく批評的かつメタ的。
この辺のセンスって、ハイラマズのショーン・オヘイガンとかにも通じるものがあると思うんだがどうだろう。
あとこの曲もいっとくか。
Love You Madly by Cake - YouTube
いやー、かっこいいねぇ、かつすげぇポップでしょ。
このベースってさ、わりと遊佐くんの弾きそうな感じじゃない?
問題はドラムとボーカルのセンターラインで、このくっそタイトなリズム感はなかなか難易度高いですよ、まじで。
ケイクってフレーズ自体はすごいシンプルでテクニックという面ではそんなに手の込んだことをしてないんですが、この音は上手けりゃ出せるって類のもんじゃない。
一切の無駄がなくてそれでもストイックな感じじゃなくすごいポップで、とにかくセンスの塊としか言いようがない。
そんでこのCAKEの乾いたポップさを日本でやっている人といえば、馬の骨だろうなと思うわけですよ。
my stove's on fire - YouTube
ま、これ曲はカバーですが、CAKEと同じ手触りを感じませんか?
やっぱり堀込泰行のセンスって異常、日本人でこの感じってなかなかいないですよ。
あ、じゃあ堀込さん聴いてれば済む話か。
いやいや、やろうよやろうよおれたちでこの感じ!