シャオラッ!とは意外とならない
おはようございます、まくらことばの佐藤恭太郎です。
そうですか、もう3月ですか。
今年はいつまでも寒気が居座って春が遠い気がしてならないんですが、それでも確実に暦は進んでいるんですね。
さて、しばしば話に出て来る私のランニング、昨日は小糠雨の降る中、比較的足元の安定している京王多摩川コース12キロを走りました。
さすがに雨だけあって土手の上の人の数は普段の20分の1くらいですが、それでも欠かさず走っている人がけっこういるのには驚きます。
ま、私もそんなうちの一人で、自分でも驚くくらいストイックなわけですが、頭の中では少なからず、「12キロを走り終えた時の自分」をイメージしながら走っているのです。
つまりね、走ることは楽しいし好きでやってるけど、やっぱり苦痛なんですよ、絶対的に。
だから完走したときの達成感とか充実感をイメトレして、「ああ、あと数十分後には爽快な気分なんだろうな」と快楽の先取りをして自分に鞭を打っていると。
思えば読書なんかも愉悦でありながら苦痛要素をかなり含む行為でありまして、「読了したときの自分」を想像しながら頁を手繰る自分がいます。
あ、釣りもそうだな、やらない人には太公望的なイメージのお気楽の極みみたいな遊びですが、かつて糸井重里が「おもつらい」と言ったように、実際のところ面白さ3~4割、辛さ6~7割という構成比で成り立っているのが釣りという遊びなのであります。
ちなみに釣り人が苦痛を耐え忍ぶ際の脳内絵図は「魚を釣った時の自分」だったりしますが、私は「釣りを終えてひとっ風呂浴びてる自分」をイメージしてたわけで、この辺が私がへっぽこ釣り師たるゆえんなのでしょう。
かように、人生において長い時間を捧げてもかまわない、実際にそうしている人が多い趣味とか遊びってのはいくばくかの苦痛要素を含んでいるわけでありまして、ホントにただ楽しいだけの行為には、人は早晩飽き飽きしちゃうもんなんだろうな、そんなことを思ったりします。
でね、ずっとイメージしてたわけですよ、「ノルマ12曲を作り上げた時の自分」を。
作曲って行為はね、やっぱりしんどい。
すんごく楽しいし、誰に頼まれてやってるわけでもなくて好き勝手にやってるんだけど、やっぱりランニングとか読書とか釣りみたく、苦痛要素をそれなりに伴う行為なんですね。
だから昨晩、アルバム収録ラストの12曲目が完成したとき、それはもうかつてない達成感で感涙にむせぶ自分がいるんだろうな、なんて思いながらやってきたわけですが、実際はそうでもなかったんだよね。
てか一瞬達成感のようなものがあったかもしれないけど、これからアレンジして練習してレコーディングしてミックスして……みたいなことを考えたら、その果てしなさに呆然としたというか。
ああ、これであたらしい仕事が膨大に生まれるんだな、しかもここからはメンバーを巻き込んでのことだから、各人の調整という不如意の多い領域に入っていくんだなと思うと、「これできるんかな」と多少不安にもなったりするわけです。
でもね。
もうこうなったらやるしかないし、ていうかもう現時点で十分押してるわけですから、時には鬼となり、時には泣く子となり、4月アルバム発表という当初の予定を石にかじりついてでもやり遂げると。
ということであらためて。
アルバム「枕じゃなくて招待状」*1収録予定曲、12曲やっと揃いました。
4月に皆様のもとにお届けできるよう、メンバー一同気合い入れて頑張ります!
シャオラッ!*2