魅惑のシンプル
こんばんは、超朝型人間のまくらことばサトーです。
……なんですが、暑かったかのどが渇いたか、こんな時間に目が覚めてしまいました。
そんでまたすぐに寝ようとしたのですが、時間を確認しようと思ってiphone覗いたのが運のつき、光を見ることで完全に脳が覚醒してしまい、あれやこれや考え事まで始めて眠れなくなっちゃいました。
しょうがねぇ、東京の端っこで「布団あります」ってひとりごちてみるか……。
さて、曲作りにはいろんな方法があると思うのですが、私はもっとも一般的かつ素人でもすぐにできる方法であろう「コード進行からメロディを作る」という方法で曲を作ります。
コードというのは要するにギターの「じゃーん」のことで、いろんな響きの「じゃーん」の組み合わせ、すなわちコード進行をいろんなリズムで弾きながら、メロディをあてはめていくわけです。
ちなみに私が「曲を書く」という言い方をしないのは、譜面を書くのはおろか読むこともできないからで、「書く」と言ってしまうとなんだか自分を盛っているようで恥ずかしくなるのよ。
ということでコード進行をどう作っていくかが曲を作る上での最大のポイントになるのですが、これはもう古今東西の曲のコード進行を研究して(まぁそんな大層なもんじゃないが)、もちろん始めはパクリからスタートして組み立てていくしかありません(いまだにパクっているという説もあり)。
やっぱり「いい曲のコード進行ってどうなってるんだろう」というところから出発するわけですが、多くの曲にみられる傾向として、ぐっとくるメロディや展開の部分では、コード進行を“ひとひねり”している場合が多いように思います。
キー(その曲の基本となる響き)を決めたら、その段階でおおよそ使えるコードは絞られてくるわけですが、“ひとひねり”というのはそこを少し逸脱しているような場合であったり、同じ仲間のコードでも「テンション」という味付けを変えている場合であったりと、いろんな技が先人たちによって編み出されてきました。
ちなみにビートルズの曲というのはこの“ひとひねり”の宝庫で、作曲の多くをこのバンドから学んだ(おれがビートルズ水準の曲作ってるって意味じゃないよ)私は、「感動に仕掛けあり」という教訓にいつしか到達したわけであります。
しかし、だ。
世の中には“ひとひねり”なしですばらしい曲を作ってしまう才能が存在しまして、そういう曲を聴くと、「ああ、やっぱり仕掛けなんてなくてもいいんだ」と思うこともしばしばあったりするのです。
ちょっとそういった曲を紹介してみましょうか。
ここではたった2つのコードで主要な部分を展開させてる曲を取り上げましょう。
まずはボウイ先生のコレ。
David Bowie - Velvet Goldmine - YouTube
いやぁ、これはプレーンなCとFを繰り返しているだけなんですが、なんでこんなスリリングな展開になるんでしょうねぇ。
ちなみにボウイ先生は、“ひとひねり”でも達人なのであります。
続いて顔の長さとポップセンスでは右に出る者なしのトッド・ラングレンの代表曲をば。
Todd Rundgren - I Saw the Light - YouTube
この屈指の美しさを誇るAメロも、2つのコードを繰り返してるだけ。
ポップスではド定番のdm7-Gという進行ですが、このdm7、あまたの美メロを生み出してきた魔法みたいな響きのコードでして。
dm7の響きをもっともうまく使ったのがこの曲ではないかと思います。
最後に永遠のバンド、フィッシュマンズの大名曲を。
フィッシュマンズは2コードの曲がほかにもいっぱいありまして、なんでこんなシンプルな響きからこんないいメロディ作るんだという、天才的としか言いようがない曲の玉手箱です(たぶんメロディから先にできていたのでは)。
90年代、キラ星のごとく才能がひしめいていましたが、その中でもやっぱりフィッシュマンズは別格だったのかな、と。
まぁ、あえて2つだけのコードで展開させるという技自体が“ひとひねり”なのかもしれませんが、こういうことをやってのけちゃう人ってやっぱりすごいなって素直に思うわけです。
さて、ここで眠くなればいいんですが……。