寡黙な男
おはようございます、まくらTRIBEのまくらKYOUです。
今日もまたお暑うございます。
さて、先の土曜日はバンド練習@渋谷でした。
その前の練習を「寝てた」というシンプルな理由でご欠席になったヘルプドラマーのナカミツ氏、今回は果たして降臨するのか、サトーは気が気ではありませんでした。
最近わがバンドでは、誰が一番先にスタジオに到着するのか毎回違っているのですが、この日はサトーが一番乗りで。
週末、やたらとロビーのにぎわうスタジオでメンバーの到着を待ちわびておりました。
そうそう、最近の傾向なのですが、かつてスタジオといえばいかにもなバンドマンの集まりだったわけですが、昨今はそれ以外の人たち、例えばバイオリンを下げた紳士淑女とか、ブラバン出身と思しき健全な男女の皆様、ハモネプの予選(今もあるんだっけ?)に向けて仕上げているようなリア充系若者などが非常に増えております。
そんな善男善女でにぎわうスタジオにまず現れたのがAD。
思えばADとはその前日も深夜まで一緒にいたのですが、なぜか頻繁に会っていても「やぁ!」と久しぶり感を覚えるのは私だけでしょうか。
そしてしばし待つこと数分、街路樹を切り倒し、下草を刈りまくることで鍛え上げたマッチョな男が悠々と階段を降りてくるではありませんか!
私は思わず「来たぁ!」と叫んでしまいましたが、男は紛うことなきナカミツ氏でした。
早速、ADとサトーによる質問攻め。
「曲は聴いてきた?」
「あ、うん」
「じゃあ、もう覚えてきた感じ?」
「いいや」
……まったく字面だけでは不愛想極まりない感じですが、かような会話を少しもこちらに嫌な思いをさせず、なんとなれば「そうかぁ、そうなんだ♡」とほっこりした気分にさせてしまうナカミツくんのキャラってなんなんだろねぇ、ホント。
そういえば前回すっぽかした時も、ADと私は「疲れてるんだろうね」「暑いもんね、熱中症じゃないといいけどね」「なんて言ってた?」「シンプルに『寝てた』(笑)」「らしいねぇ(笑)」と、世のバンドの8~9割はキレるところをなぜか和やかにやり過ごしたのでした。
そうこうしているうちにセッティング完了、じゃあ始めますかというタイミングで、
「この前はすみませんでした」
と、いかにも現場で鍛え上げてきた風の、つまり役人とか大企業の社長のそれとはリアリティが全然違う、朴訥ながら重い謝罪をかましてくるナカミツ氏。
いや、もともとおれら全然怒ってないし、むしろネタ的にまたエピソード増えたなくらいに思ってたくらいだから……「お、おう」って感じでしたけど、でもなんか嬉しかったです。
そんでもっていざ演奏を始めると、いやいや君相当聴き込んでいるでしょ、というプレイの連続で。
ADも私も、「そう来たかぁ!」とニンマリすることしきり、非常に気持ちよく演奏することができました。
こっちも興が乗ってきたので、「ここはもっとこうしよう」とかを存分に議論。
そのそばから「今言われたこと忘れた」とまたまたらしい発言をポツリと漏らす氏ですが、いやいやどうして、かなりいいところまで来てると思いますよ!
練習終わり、「ちょっと一杯ひっかけていこうよ」と近くのパブへ。
ビールを飲みながら、私は今日のナカミツくんのプレイをほめたたえました。
「あんだけ叩ければすごいよ、てか相当練ってきたでしょあれ」
「いや、まだまだだね」
「じゃあ何、理想はもっと高いわけ?」
「自分の中のイメージはあんなもんじゃないよ」
「ということは、今回のライブで『お疲れ!』って感じじゃなく、これから先も腰を据えてやってくぞ、みたいな?」
「や、それはないね」(即答)
……まったくもって期待を裏切らないアンチ・クライマックスぶり、最後までナカミツくんはナカミツくんなのでした。
思えば若いころは、彼のキャラクターを理解し、生かすことができなかったなぁ、だってホントに何考えてるのかわかんなかったんだもん。
でもね、世の中、私のように口から生まれてきたようなおしゃべり人間だけじゃなく寡黙な人もいて、彼らは彼らで胸に秘めた思いがあって、それを表現する術は言葉だけじゃないんだという当たり前のことが私にもわかってきたのでしょうね、今はなんかしっくりきてる気がするんだよなぁ、お互い*1。
ということで、イベント的にはあんまりアピールポイントのなかった次回8/20のライブ、私的には結構見どころ満載というか単純に楽しみになってきました、リラックスして臨めそうだし。
あ、くれぐれもですね、前回、前々回もおいでくださり、今回も行ってやるかという方は、事前にサトーなりADにお知らせくださいね、皆勤賞がありますので。
*1:「いや、おれはそうでもないね」とか言いそうなところがまたニクイ