布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

あぶでかの話

おはようございます、サトー@まくらことばです。

 

昨日は昼間からなんだか運動不足感がつきまとっていたので、帰宅後、ナイトジョギングに行ってきました。

いつも週末走っているのとまったく同じコースを行ってみたのですが、思いのほか視界良好で走りやすく、暑さとは無縁の快適なランニングが楽しめました。

このパターンを確立できれば、週末だけでなく平日夜も走れる……なんだか参考書を買い込んだだけで成績が上がった気になった受験生よろしく、すでに健康を手に入れた気分です。

ともあれ、もはや胸を張って趣味と言えるまでになったランニング。

体だけでなく精神の健康にも大いに寄与している気がするので、これからもずっと続けていきたいと思います。

 

いやぁ、それでね。

またまた祭りが始まっちゃったわけですよ、私の中で。

もう何回目になるかわかりませんが、「ビートルズ祭り」と並んでこれまで何度もやってきたフェス、「あぶでか祭り」。

今回は先日、たまたまパソコンの後ろの棚にDVDがささっているのを発見し、「あ、そういやあるんじゃん」と思って何気に再生してみたのが運の尽き、やっぱり死ぬほど面白れぇしカッコいいや! と首ったけになっています。

 

あぶない刑事」につてはこれまでも折に触れて話題にしてきましたが、私にとっては本当に「俺の血はそいつでできている」(©浅井健一)と言っても過言ではない作品で、もう「台詞ひとつ忘れもしない」(©梅沢富美男)領域に達するまで繰り返し観ているのですが、それでもやっぱり面白くてしょうがない。

実は数年前に全作DVDでコンプリートしたのですが、それはいま実家にありまして、最初は兄に送ってあげたのですが、結果的に甥っ子(小3)が夢中になったようで。

今では彼は手作りでタカみたいなホルスターを作成したり、モデルガンを収集したりと順調に次世代のあぶでかフリークとして育っております。

なので今我が家にあるのは、講談社の『あぶない刑事DVDマガジン』についてたやつ。

でも2枚5話分しかないから、この先どうしようかと思案にくれています、広島まで取りに行こうかな……。

 

とにかくね、あぶでかが面白いのは、徹底的にフィクショナルなところ。

いや、決して絵空事を描いている作品ではないのですが、「等身大」だとか「共感」だとかを一切度外視した、"これぞドラマ"な作品づくりが素晴らしい。

とにかく役者とスタッフが一丸となって、虚構たる"あぶない刑事の世界"を必死に構築しているところに感動します。

 

それとこれは2014年にあの作品を鑑賞するうえでの楽しみ方だと思うのですが、80年代中ごろ、再開発の波が押し寄せる寸前の、港ヨコハマの風景が存分に楽しめるところも素晴らしい。

最近はむしろストーリーや台詞よりも(それらはもう完全に覚えてしまったので)、映像そのものにくぎ付けになることが多い気がします。

あぶない刑事」はもう、ロケハンに一切手抜きなしですからね。

ちょっとしたシーンでも、屋外ロケはすべて横浜、しかも絵になる場所しか使ってないですから、異国情緒漂う"戦後のヨコハマ"が画面から横溢しているんです。

ちなみに港署内部のセットは、日活の調布スタジオ(ウチの近所!)にあったらしいですから、演者は第三京浜で横浜と調布を行き来して撮影していたのか……そんなことを想像するだけで、もう興奮してくるのです。

 あぶない刑事の第1シリーズが撮影されたのは1986年ですから、私にとっては記憶も明瞭でそんなに昔の感じはしないのですが、考えてみればもう28年も前のことですからね。

まだ中村川の上に走る高速道路が工事中だったり、みなとみらいの"み"の字もなく、あの辺りは怪しい倉庫街で銃撃戦の舞台だったり。

とにかくあぶない刑事で見ることのできる横浜の風景は、歴史的記録としても非常に価値のあるものではないかと思います。

 

 いやね、いっつも思うんですよ、虚構を徹底的に作りこむことこそが、エンタテイメントの神髄なんじゃないかって。

それはあぶでかみたいなドラマもそうだろうし、映画や音楽もそうだと思うのですが、リアリティーの追求がいつしか、「等身大」とか「共感」を得ることに置き換わっている気がしてならない。

私は世に跋扈する、「事実=真実」という図式の安っぽい作品*1を見かけるたびに、「あぶでかもう一回観なおしてこいよ!」と思います。

もちろん現実に題材を求めることは作品づくりの王道だし、リアリティーは常に追求すべきことなんですが、やっぱり作品としてパッケージするプロセスを経ないと、人様にみせる・きかせるべきものにならないんじゃないか。

あぶない刑事が何度観ても面白いのは、そういったプロの仕事が貫かれているからなんだと思います。

 

そう考えると、まくらことばにはパッケージ屋がいるからなぁ、心強いぜ!

私は刑事になったつもりで、次のスタジオにはスミス&ウエッソンのモデルガンでも装着していこうかしら、ホルスター手作りして。

*1:余命なんたらの花嫁とかその手の