シンラインの話
こんにちは、サトー@まくらことばです。
昨夜は激甚な雨がいっとき降りましたが、運悪く私はそのとき、外に出ていました。
急いで近くのローソンに飛び込んで傘を買ったのですが、それでも駅までの道でびしょ濡れに。
特に昨日は革靴を履いていたので、ちょっとダメージを喰らった感じです。
しかし雨はそのあとすぐに止んでましたよね……ああいうとき、「じゃ、喫茶店でも入ってやりすごそうか」という発想に至らない自分のせっかちさがほとほと嫌になります。
さて今日は、久しぶりに楽器の話をさせてください。*1
最近の練習でもそうだし、今度のライブもそうなんですが、ギターはエレキ一本でいこうと思っています。
そんで選んだのはテレキャスター・シンライン。
と言っても私のはフェンダーのじゃなくてヴァンザントのやつで、2シングルでマホガニーボディ、メイプル指板のいわゆる69年仕様ですね。
レコーディングではですね、たぶん一番使ったのはストラト(これもヴァンザントですが)じゃないかと。
ストラトはやっぱりいろんな音が出せるし、エフェクターのノリもいいので音作りがやりやすい。
レコーディングでは絶対に欠かせないギターなんですね。
次に使ったのがES-335。
これはね、例えば「ダレカノ」のカッティングとか、「灯台守」のエレキギターとか、あの辺の音がそうですね。
335はストラトとは逆で、あんまりエフェクター通さず、アンプ(といってもシミュレーターですが)だけで音作りして使う感じ。
とにかくセンターポジションの音が素晴らしく気持ちいいので、その良さをそのまま録れるように心がけました。
だからレコーディングでの使用頻度でいえば、一番低かったのがテレキャスかも。
「雨の喝采」はたぶん全部テレキャスの音だったと思いますが、他の曲では使ってないんじゃないかなぁ。
なんですけどね。
やっぱり「ライブで一本!」となると、テレキャスしか考えられないんですよね。
なぜか。
まずは軽くて持ちやすいこと。
これは比較の話になっちゃうんだけど、まず335は重い、でかい*2。
あれをスタジオで2~3時間ぶら下げているのは、ちょっと肩が凝るし辛いかな。
ストラトはね、私の持ち方とか姿勢が悪いのかもしれませんが、あのツノの部分がちょうど肋骨に干渉して、ゴリゴリ痛いんですよね。
それと座って弾くにはすごくいいんだけど、立って弾くとなぜかしっくりこない、個人的に。
そこに来てテレキャス、これはもうばっちりなんですよね。
とにかく持ってて楽。
私のはシンラインで中が空洞ということもあり、軽いのもいいですねぇ、軽さって年々重要になってくる気がするなぁ。
それとルックスね。
そもそも私、あのまな板のようなテレキャスターのルックスがすごく好きなんですが、ちょっとR&Rなイメージが強い側面もあるじゃないですか、キース・リチャーズ的な。
その辺似合わなそうなんで回避する目的でシンラインを選んだのですが、ちょっとエッジが丸くなるサウンド面も含め、私にはベストチョイスだったかな、と。
実は今のシンライン、歴代3代目でありまして、昔バンドやってた頃はフェンダージャパンのやつを、去年まではフェンダーメキシコのやつを使っていましたので、自分のトレードマーク的なギターにしたいな、みたいな思いもあったりします、はい。
「いかにも軟弱なチョイスだな」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな向きはちょっと、私のテレキャス弾いてみてくださいよ。
いわゆる丸太ネック、超極太ですからね。
今まで弾いてきたギターの中で一番太い気がしますが、なぜか弾きやすいのはヴァンザントマジックでしょうか。
とにかく「太い=弾きにくい」ってことはないんだな、と思います。
肝心のサウンドですが、フェンダーに比べてちょっとだけ太いかな、と。
テレキャスの癖をうまく料理した感じのギターで、フロントが結構エッジが立ってて、リアは耳に痛くないという絶妙な仕上がりになっています。
ま、私はほとんどセンターポジションにして弾いているけどね。
なんで2本もヴァンザントを持っているかというと、最初に中古で買ったストラトがいわゆる当たり個体、非常に素晴らしいギターだったためこのメーカー*3に好印象をもったからで、特にネックが丈夫なところが気に入ってます。
あとね、私改造マニアではないんですが定番の改造は気になるというか、「やっとかなきゃ」みたいな気分になっちゃう。
そこでヴァンザント、例えばオイル漬け牛骨ナットとか、ヴィンテージ系のトーン・キャパシタとか、ラッカー塗装とか、フェンダー系の定番カスタマイズがあらかじめ施してあるようなギターなんですよね。
この辺の価格帯だと、フェンダーUSAのレギュラーのヴィンテージラインとか、アメリカンスタンダード/デラックスあたりとの比較検討になると思うんですが、私も楽器屋さんでいろいろ触らせてもらったけど、どれを選んでも満足できると思いますよ、ええ。
特に侮れないのがアメスタで、弾きやすさという点ではすごくいいと思います、サドルも6コマでピッチばっちりだし。
その中でヴァンザントを選ぶ理由って、まぁピックアップとラッカー塗装かな。
そこにこだわるのであれば、候補に入れておいて損はないギターだと思います。
あ、ついでに私見を述べておくとね、カスタムショップはやっぱり別格だと思う、材から作りから。
でも私にはオーバークオリティ、あんなにいい必要はないし気を使っちゃう。
それでね、ジャパンもすんごい品質高いと思う、むしろヴィンテージ系だったらジャパンがいいかも。
ていうかね、普通に使うぶんにはスクワイヤーでも十分なんですよね、ホント。
だからね、自分の好みとか所有感とか好きなミュージシャンが弾いてるとか、そんな理由で選べばいいと思いますよ、ギターなんて。
シンラインはね、有名なのはカーティス・メイフィールドのライブ盤のジャケ写ですが、かつてオザケンも弾いてたんだよね。
だからってわけじゃないけど、とにかく好きなギターなんですよ、理屈抜きで。
そんで今の自分のギターラインアップにはすごく満足してて、これだけあればもう他にはいらないかな、なんて最近はギター欲がすっかり沈静化しているんですよね。
と、思っていたら最近やたらグレッチが気になりはじめて……と、度し難い性分を覗かせてみるのでした。