布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

自己啓発問答

サトー「う、う、辛い……」

佐藤「どしたん?」

サ「花粉症が今ピークでしょ、もう最近は終日意識がぼーっとしててすべてが霞がかった状態なのね。あるいは背後に二人羽織的な誰かがいて、鼻の穴をぴったりと塞いでいるような」

佐「そして目の玉に直接花粉を噴霧されているがごとく。ホント辛いよね」

サ「だからもう生きてるだけで精一杯なんです、ごめんなさい」

佐「いやいや、それじゃ困るでしょ、もう春なんだしいろいろやってもらわないと」

サ「そうなのよ、やりたいことはいっぱいあるんだけどね。まずはそうだな……12弦ギターが欲しい!」

佐「いきなり物欲話ですか。12弦ギターなんて買ってどうすんの、絶対使わないってそんなもん」

サ「だってロジャー・マッギンの動画観てたら欲しくなって当然じゃん、12弦で『turn! turn! turn!』弾くんだ」

佐「ロジャー・マッギンといえばリッケンでしょ、高いよ!」

サ「リッケンなんて買えないよ、リッケンじゃなくてもいいやつを今中古で見つけてるんだ、ダンエレクトロ!」

佐「ダンエレクトロかぁ。確かに安くてかっこいい。ビザールといえばそうだけど、あれは確固たる個性をもったいいギターだよね。そういえばDC59のシェイプで12弦あったな」

サ「いいでしょ。そういう君はなんか欲しいものないの?」

佐「欲しいもの……そりゃ山ほどあるけどなんか気分が上がんないんだ、カープが3タテ喰らったから」

サ「ああ、それは仕方ないね……。なんかお互い、気分が上がらないね」

佐「気分転換が必要かもね。……あのさ、ランニングやってて例えば多摩川の土手で同じ方向に走ってる人がいると。そうなると本能的に抜きたくなるわけだけど、そのためにはスピードを上げなきゃいけない。多摩川の土手に差し掛かるころにはもう6キロくらい走ってきてるから、そこからスピードを上げるって結構しんどいよね」

サ「そうね、ペースを変えるってのは一番難儀なことだから」

佐「そんでさ、必ず僕、そういう時はイメージが先行するのね、快調に飛ばして数百メートル先のターゲットを捉えた瞬間の。そんでそこに至るにはどうすればいいか? 当たり前なんだけど、自分がしんどい思いを引き受けて、今この瞬間にペースを上げなきゃいけないわけ」

サ「なるほど。栄光をつかむためには今この瞬間に、他でもない自分が努力しはじめなきゃいけないと、こういうわけだね」

佐「さすがおれ、打てば響くな。な、だったら言いたいことわかるでしょ?」

サ「花粉症だのギター欲しいだの言ってないで、さっさと曲作れと。新しい曲を作ってライブやってる自分をイメージして今動き出せと、そういうことだね」

佐「わかってんじゃん。あとはやるだけだね、よろしく!」

サ「……はーい」