布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

ノヴェンバー・ステップス

おはようございます、まくらことばってバンドでギター・ボーカルやってます、サトーなる者です。
今の季節って、電車ではそれこそ半袖1枚の人もいればコートを着込んだ人もいて、いろんな服装が混在している面白いシーズンなんですよね。
私も今朝、上に何を着て行こうか迷ったのですが、蒸し暑い電車内を思うと冬用の上着を羽織るのに心配を覚え、結局カットソーにストールを巻いて出掛けました。
この時季にぴったりなゴム引きのステンカラーコートもあるのですが、10年以上愛用したため袖口や襟の折り返しが擦り切れてしまって、最近は手に取ることがなくなってしまいました。
うーん、後継者として、高倉健みたいなスゥイングトップでも買おうかしらねぇ……。

さて、今日からいよいよ11月ですね。
いよいよなんて言いますのも、私、この月が1年のうちで一番好きで。
なんか11月にはいい思い出がたくさんあるんですよね。

まず思い出すのが、中学のとき初めて参加した釣り大会で当時の自己最高記録を更新するブラックバスを釣ったこと。
あの日は確か11月にしては異常な冷え込みの日で、早朝から目を三角にしてみんなが魚を探し求めているとき、私は一人ホットティーの缶で暖をとりながら、「ま、あったかくなってから頑張るか」と芦田川ほとりの茶店で和んでいました。
そんで陽も高くなったところで釣り開始、いきなりそこで葦ぎわに投げ込んだスピナーベイトに44センチのグッドサイズがヒットして!
結果は11位でしたが、大会で、しかもゆるーく構えてこの結果、おれはナンカ持ってるんじゃないかと有頂天になったのでした。
(ちなみにこの44センチの記録は、その後20年近く更新されないままでした……)

それと高校2年生の文化の日の休日、生まれて初めて広島にあるタワーレコードに行き、生涯の1枚ともいえるアルバムと出会ったことも忘れられません。
私がその時入手し、今も再生回数では最多の座をキープしているであろう名盤が、デビッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」です。
「ジギー・スターダスト」はね、もうホントに影響受けたってレベルを超えて、私そのものを作る土台を形成してるっていうか。
ブランキーに「小さな恋のメロディ」って曲あるでしょ、「小さな恋のメロディという映画を観たことがないなら早く観たほうがいいぜ/俺の血はそいつでできている」って。
まさにあれですよ、あれ。
とにかく「ジギー」には、ソングライティングの魔法がすべて入ってると思うし、その魔法をまだまだ解き明かしている最中なんです。

上京後、バンドをやるようになってからも、初ライブが以前も書いた明治学院の学園祭で、それはやはり11月でした。
その翌年とかも、たしか11月は下北の屋根裏で初めて、夜の部に出させてもらったんじゃなかったかな。
11月はライブがすごく入ってた印象が残っているんですよね。

……えー、そこから私、ちょっと遠くに行っておりまして、15年間ほどさしたる思い出はないのですが、まぁそれなりに上気して11月を迎えていたんでしょうね。

それで昨年ですよ、2012年11月17日。
忘れられない嵐の日、今日ここにつながるストーリーが始まったわけです。
以前吹雪様が、「バンドってのはパーティーなんだ。パーティーってのは止まった時を動かすことなんだ」と言っていたのですが、あの日の“パーティー”は、まさに止まった時を再始動させるものでした。
いや、やっと本当に始まったというべきかな、とにかく歯車が次々と噛み合って、ゆっくりと動き始めたのを感じた夜でした。
あれから1年、この時間に見合う成果としては少しスローペースかもしれませんが、メンバーだけでなく、私たちを支え見守ってくれるみんなを巻き込んだ“パーティー”を開催できることに、限りない喜びと感謝でいっぱいのサトーであります。

そんでもってこの11月、ポール来日公演とまくらことばに加え、これまた楽しみなライブが1本飛び込んできました。
あけみさんがギター・ボーカルをつとめるガールズバンド、Lazsがライブをやるっていうんですよ、これが!
Lazsはねぇ、私音源を聴かせていただいたんですが、すごくリアルなバンドだと思います。
聴けば聴くほど、この人たちにしかできないことやってるなぁと思うし、存在そのものがメッセージみたいになってると感じる。
や、ホントに楽しみにしておりますぞ!

それでこの日程がですね、21日ポール、23日Lazs、(どうでもいいけど一応26日サトー誕生日)、27日まくらことばという怒濤の並びで。
ちょっと27日時点で自分の精神状態がどうなっているのか想像もつかないんですが、ま、神がかってるか空回りして大失敗するか、平穏でフツーってのはないと思われます。

標題は武満徹の代表曲からの借用ですが、この記事を書く前に聴いてみて、不協和音の連続なのに作品としてまとまっていることに改めて驚き、感動しました。
訳も分からず夢中になることの連続だけど、振り返ったら大きな一歩を刻んでいる――「ノヴェンバー・ステップス」みたいな11月になるといいなぁ。