想像力の創造力
台風の日、皆様いかがお過ごしでしょうか、サトー@まくらことばでございます。
私まぁ、趣味といいますか最近の欠かせない習慣があって、週末は必ず走るようにしてるんですね。
狛江市から世田谷区にいって後半は多摩川の土手を狛江まで戻ってくるというコースで、11キロくらいかな。
かなり起伏があって、都内とは思えないくらいの自然もあって、かつ信号は3カ所だけという非常に楽しいコースです。
一昨日も昨日も走って、今日も台風が通り過ぎて天気が回復すれば走りにいくつもり。
最初はダイエットというか、「腹回りやべぇな」という必要に駆られて始めたランニングですが、今では休日前から楽しみになるくらい、自分の生活になくてはならないものになりました。
ランニングのいいのは、走ってる時にいろいろ考えることが出来ることです。
といっても、例えば仕事のアイデアだとかそんなんじゃなく、考える内容自体は、無意識のうちに浮かんでくることだったりします。
「さぁ、これについて考えるぞ」ってのじゃなく、体があったまってきてリズムに乗ってきた頃、自然と何かが頭の中を占めている。
多分それは、主体的に選んだものじゃなくても今の自分にとって「考えるべきこと」なんだろうと心得て、あれこれ思いを巡らせたりするのです。
そしてこの場合、話題の選択だけでなく、考える姿勢も主体的ではないのが特徴で。
なんかそのとき自分の意志でやってることってひたすら走ることだけで、考えてるのは別の人がやっているような感覚なんです。
自分の中にいる複数のナントカ委員が会議を開いてて、私はそれをオブザーブしてるだけみたいな。
こういうゾーンに入るのはランニングならではで、普段とは違う思考様式に身を委ねることが出来るから、走ることが欠かせない習慣となったのかもしれません。
そんで昨日、一昨日と考えてたのは、やっぱりライブのことで。
11月27日水曜日、下北沢のモナレコードさんでやることの決まったライブのことばかり、考えて走ってるわけです。
(やっと発表ですよ、この回りくどさ!)
なんかねぇ、もうありありと浮かぶんですよ、具体的な画が。
それはすごい細かくて、あの曲を演ってるときの誰の表情だとか仕草、空気感なんてのが、すでに経験済みのことのように浮かんでくるんです。
でね、自分でも「おいおいそうなんか!?」とびっくりするのが、ギタリストの画が浮かぶことなんです。
実は今回のライブ、サポートメンバーの必要を感じ、水面下で動いてもいるのですが(だよね?)、その方と私が並んで演奏してる画が浮かんでしょうがないんですね。
私が私淑する内田樹先生はよく、「その細部までありありと想像できる未来は、実現する可能性がきわめて高い」というようなことを書かれています。
これは自己啓発本によくあるような、「夢は叶うんだよ」的な甘いライフハックフレーズではなくて、「想像力の現実形成能力をナメるなかれ」という、ある種戒めの言葉として、私は受け止めてます。
もちろんライブに向けて、まくらことばのメンバーは明確な目標を持って、それぞれのやることに全力で取り組みます。
でもそうやって体を動かしているうちに起動する想像力が、逆に現実を引き寄せてくるようじゃないと、いいライブは出来ない気がする。
何よりこのバンド自体が、不思議な人の繋がりの連続によって生まれ、今も自分たちの意志を超えた何かに動かされていると思うし、私はそれだからこそ、まくらことばが楽しくて仕方ないのです。
素晴らしい音楽を鳴らすことの出来るのは、神秘に身を委ねた者だけだということを、私は先人から学んできました。
とりあえずはあの神秘のゾーンが眼前に立ち上がるまで、自分たちのやるべきことをしっかりやっていきたいと思います。