布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

房総音楽

私、房総が大好きで。

なんていうんだろうな、日本の大部分を占めるのぺーっとした地方、みたいなところもあるんだけど、大部分は海と山が織りなす非常に野趣あふれる感じがする。

でも雄大な自然という感じではなくて、スケール感が実に程よい。

圧倒的なパノラマに一人ぽつーん、みたいなシチュエーションより、人里もあって自然もあって、みたいな。

それでやっぱり、空が広くて夜は星が綺麗。

田舎の方は高い建物がなくて景色の抜けがいいし、星がホント嘘みたいにいっぱい見えるんです。

私の育った瀬戸内地方も海と山の景色ですが、なんていうか箱庭的な美しさなので、房総のワイルドな感じは自分の原風景にはない。

だからすごく新鮮で、よく房総に釣りに行ったりドライブに行ったりしてました。

いまクルマに乗らなくなって簡単に行けなくなったがゆえに、より思いが募ってきています。

 

房総に似合う音楽っていうのが確実にあって、それは実際聴きながら房総半島を走っていた曲なんですが、風景と音楽が相まって「うわー、これって!」みたいな感覚になったことが何回もある。

例えばこんな曲。

あー、やっぱり半端ないわ、風景との親和性が。

初期セイント・ヴィンセントの音楽を聴くと、アメリカのロードムービーを観たあとみたいな感覚になるんです。

この曲はなんか、アメリカ中部のなーんもないところでトレーラーハウスとかに住んでて、朝起きて外に置いてあるキャンプ道具で薄いコーヒーをいれ、ステンレスのマグカップで飲んでいるような感じ。

この、イベント性の薄い「日常的なキャンプ感」って、まさに房総アウトドアなんだよなー。

 

それからハイラマズのこの曲とか。

これは特に、2:59あたりから始まるスライドのギターソロの房総感がすごいですねー。

なんだろう、この曲の体温が低いまま揺れてる感じが、例えば東金から横芝光町方面に向けて田んぼの中の道をひたすら走る感覚と異常にマッチしてる。

うん、これは午後のややレイジーな空気の中に合ってるなぁ、さっきのヴィンセントが午前中のぴーんとした空気に馴染むとしたら。

 

そんで日が沈んで満天の星が見えてきたら、海辺にクルマを停めてこの曲を聴きたい。

これはもう歌詞もまさにって感じ。

ちょっとゾーンに入っちゃって、意味もなく涙があふれて来るかもしれない。

実際これ、昔バイト先の店長にみんなで太海の海水浴場に連れて行ってもらった時、道中車内で「犬」をかけてもらって、その時ちょうど夜だったんですが、すごく印象に残ってるんですよね。

 

東京近郊の海といえば房総の他に湘南がありますが、湘南も大好きだけどこの感じはないんだよなー。

同じくゆるーい横ノリなんだけど、ラヴァーズロックみたいなレゲエとか、AORのリラックスしたやつとか、そんな感じが似合う。

そんで湘南は仲間とワイワイ賑やかに行くのが楽しそうだけど、房総はそれこそ「地上の夜」みたいにクルマに毛布でも積み込んで1人で行くのがいい。

 

房総半島、春になったら行ってみたいなぁ。