秋の音楽談義
昨夜はスーパームーンということで、秋の名月が楽しめました。
次第に日中も過ごしやすい陽気になってきて、いよいよ秋本番も近い今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
小坂忠の名盤『ほうろう』に「つるべ糸」という曲が入っていて、「秋の日はつるべおとし/小さくしぼむかえり道」と歌っているのですが、私は秋と言えば、この歌のような寂しい印象を抱きます。
なんか夕方、どんどん暗くなっていく中で、無為に「ハクション大魔王」とか見てたあの一日が終わっていく感じというか……。
暑いより寒いほうが好きなので気温が下がるのは嬉しいのですが、日が短くなっていくのだけはいくつになってもなんか堪えるのです。
さて、例の2万円分のAmazonポイントですが、先ほど最後の買い物をして無事使い切りました。
いやー、この間幸せだったなー。
結局CD20枚くらい買ったでしょうか。あとお茶とかなんやらかんやら生活雑貨を少々。
それで今日は、「こんないい曲あったぜ!」ということで、いくつか紹介していこうかなと。
まずは「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」ことメアリー・J・ブライジの1stアルバム『What's the 411 ?』から大ヒットチューン「Real Love」。
この曲、もうクッソ有名な曲らしくて、例えばストーンズの「サティスファクション」とか、キンクスの「ユー・リアリー・ガット・ミー」とか、まぁそんな感じの曲みたいですね。
タイトなビートと歯切れのいいピアノが気持ちいいです。
MVもそこはかとなくエロくて、アーリー90’sの空気感がぎゅっと凝縮されたよう。
この曲は、ようつべで2015年のライブバージョンとかも観れたりするのですが、メアリー姉さんの貫禄が半端じゃなく、渡辺直美のネタみたいな感じになっててそれはそれで楽しめます。
続いてはおなじみTLCからこの曲を。
いろんな動画が上がってるんですが、ま、尺的にもこれがいいかな、歌詞つき。
この曲はもうスムーズネスの極みというか、聴いててめっちゃ気持ちいいですね。
T-ボズのヴォーカルって、いわゆるディーヴァ的なパワフルさとは別の、どっちかというとウィスパー系というか、あんまりガンガンこないタイプなんですが、随所に効いてるコブシがたまらんですね。
TLCはオリジナルメンバーのレフト・アイ(ラップと作詞担当)が亡くなってから、なんというか時間が止まったままの印象を受けますが、この曲が収録された2ndアルバム『CrazySexyCool』は絶対的名盤ですね、買って損なし。
ところでTLCを聴くと、安室奈美恵ってすごくTLCを研究しているなと改めて感心しました。
小室時代の安室ちゃんもいいですが、それ以降の本格的R&Bシンガーに脱皮してからはホントかっこよくて、私は「Girl Talk」という曲が好きですね、すげぇいいです。
あ、そういえば安室ちゃんTLCと共演もしてたけど、なんかレフト・アイの遺族が異議申し立て的なこともあったなぁ。
最後に、これはロック好きな方にこそ聴いていただきたい曲。
現在のジャズシーンを牽引するピアニスト、ロバート・グラスパーの『Black Radio』より「Why Do We Try」。
おお、ドラムめっちゃかっこいい!
この変則的なビートにジャズピアノを絡ませて、スウィートなヴォーカルかぶせるんだもんね、そりゃいいよね。
曲展開もループ感よりはどっちかというとロックっぽい構築感があって、これはロック好きな人には響くのではないでしょうか。
いま、日本のポップス系アーティストの中に、かなりブラックミュージックに接近している人たちがいますが、その辺に絶大な影響を与えているのがこのロバート・グラスパーで。
『Black Radio』はグラスパーがいろんなアーティストと交流試合をする企画モノで第2弾も出ているのですが、どれも料理が上手くて絶妙のセンスを感じさせます。
……ということで聴けば聴くほど深みにハマるブラックミュージックの世界ですが、先日、重度音楽マニアのMさんと飲んだとき、「最近R&Bとかヒップホップ聴いてるのよ」みたいな話をしたところ、「サトーさん、まだ開けてない扉ありますよ。それはね、プログレですわ!」と、何枚かmust buyなプログレ名盤を教授されたのでした。
そっかぁ、プログレ……確かにほとんどスルーしてきたなぁ。
早速キングクリムゾンの『Red』をポチったのですが、今のブラック満載のiTunesにプログレ馴染むかぁ?とやや不安な秋の日々。