布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』観てきた

おはようございます、サトー@まくらことばです。

本題に入る前に、前回の記事で触れたヤバいCMが判明しましたので貼っておきます。

いかがでしょう、10年に1度あるかないかの大型物件だと私は思います、はい。

 

さて、夏休みも終わり雨の朝をいつもの生活に戻っていく人も多いかと思います。

まだまだ暑い日が続くものの、日の短さは秋が遠くないことを教えてくれるようになりました。

聞こえてくる蝉の鳴き声にも、ツクツクボウシの音色が混じるようになり、確実に夏が終わりに近づいていることを感じる毎日です。

 

この夏、ポップスファンにとっては見逃せない映画が2本公開されました。

ひとつは先日も触れたブライアン・ウィルソンの自伝映画『ラブ&マーシー』で、もうひとつは英国インディの雄・ベルアンドセバスチャンのスチュアート・マードックの初監督作品『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』。

ビーチボーイズベルセバ、かなりの確率でファン層が被ると思われますが、この2本がほぼ同時にかかるというのは、なかなか惑星直列状態というか、かなりお祭り的事象ではないかと思います。

『ラブ&マーシー』でいたく感動した私ですが、先日、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』も観てまいりました。

『ゴッド~』については、『ラブ~』以上に観に行く人が界隈には多いと思いますので内容的なことには一切触れませんが、一緒に見に行ったベルセバファン2名(うち1名は重度)によりますと、「ベルセバMVの長い版」であり、「だからこそ最高!」ということであります。

たしかに、ベルセバの地元グラスゴーでオールロケされた映像は、世界中のどこの街でもこうはならないだろうというスコティッシュ風情全開の世界でした。

キャストも、キャリアのある人から本業はミュージシャンという門外漢まで、よくぞ見つけてきたというハマり役ばかりで、世界観のつくり込みに一切の手抜きナシ、そしてそれこそが、ベルセバファンを唸らせる最大の要因となっているのですね。

 

私はベルセバについては、たくさん聴くバンドのひとつ、くらいの位置づけだったのですが、シンプルでありながら唯一無二の響きをもった楽曲群には、他のどの音楽からも得られない感触があり、このバンドに熱狂的なファンが少なくないのも頷けると思います。

そして『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は、どこをどう切ってもベルセバ的世界がぎっしり詰まっていて、長い構想期間も納得の、ある意味完璧な作品だと思います。

映像はずいぶん涼しげですが、『ゴッド~』はひと夏の物語ということで、観るなら今がおすすめですね。

 

音楽映画というとロックバンドが主役のものが多いように思うのですが、ポップス系の人を取り上げた話題作が同時期に上映されるとは、今年は思い出深い夏になりました。

時代を超えた名曲をつくろうと日々格闘するそれぞれの登場人物たちは、英雄的な格好よさとは無縁ですが、まっすぐで純粋できらきらしています。

映画鑑賞後繰り出した新宿の街は、さきほどまで浸っていたスコットランドの風景とは真逆のアジア的混沌と蒸し暑さに満ちていて、「ああ、ここは日本なんだ」と思い知らされもしたのですが、抜けるような西海岸の青空とも、静謐な石畳の街並みとも無縁のこの場所でも、それを追い求める限り素晴らしいポップスは生まれてくるはずだ、そんなことを思った夏の夜でした。