いい夜にいいライブ
ここのところ晴天続きなのは良かったのですが、こうも乾燥した日が続くと空気中にいろんなものが舞っているようで、日曜日、久しぶりに自転車に乗った私は、2か月前の花粉症の時期のように目が充血し、たまらなくかゆくなってきました。
雨はおしなべて憂鬱なものですが、火曜日の夜の大雨は、いろんなものを流し去ってくれたようで、珍しく「みんなが待ってた雨」(@オザケン)だったように思います。
ああ、空気が清々しい!
さて昨夜は、フュンガフントさん
のライブを観に、渋谷の喫茶Smileに行ってきました。
最近、クボチュウ氏(うさぎ的事情)の絡みでこのお店に遊びに行く機会が増えたのですが、ビーチボーイズの幻の名盤になぞらえた店名の通り、ポップス系の演者が多い、私にとってはどストライクのハコなのであります。
フュンガフントさんもポップス・うたもの系で、7月のまくらことばライブをクボチュウ氏(guitar)とともにサポートしてくださるアベケンさん(drums)の所属するバンドであり、これはご挨拶を兼ねて観に行かねば、というわけ。
仕事を片付けた(?)ADも駆けつけ初顔合わせ、「まくらことば2015年7月ver.」が見事4人揃ったのでした。
やっぱりバンドメンバーが揃うっていいよね、なんかそれだけで感動しちゃったよおれ。
さて、肝心のフュンガフントさんのライブですが、私は本当に感動しました。
サポートを入れてライブをやることもあるそうですが、昨夜は基本編成のスリーピース。
スリーピースでポップスとかうたものをやるのってすごく難しいことは経験上もよく知っているつもりですが、フュンガフントさんは本当に3人の音のバランスがよく、聴いてて気持ちのいいアンサンブルでした。
そこに載せられる曲がまた素晴らしく!
グッドメロディに載せられた間接的だけど印象深い言葉……そう、私が好きな・私がやりたい音楽そのものだったんですね。
あー、ホント好きだわぁ、この感じと思いつつ、初めて聴くのになじみ深い音に身を委ねながら、初夏の東京の夜は更けていったのであります。
バンドをやっていて何が楽しいかというと、これは一も二もなく人との出会い。
これまでまくらことばをやってきて、かなりスローペースな活動のなかでもたくさんの素晴らしい出会いがあったし、そこからさらに広がっていく出会いもこうしてある。
そういった人の繋がりの中で、最近私は、何かを得たというよりも、何かを手放したような気分を感じています。
なんかもう、気負うことなんてないんだなって。
自分の仕事をちゃんとやっていれば、自ずと人と人が繋がる場所にいることができるわけで、その中で自然体にふるまっていればそれでいいんだ。
これまで私を支えてきた「このバンド背負ってるんだ!」感は、幾多の出会いを経て最早、私にとっては無用の長物になりました。
もうそういうので動いてるバンドじゃないんだ、まくらことばは。
そして新しい仲間との出会いだけでなく、昔からの仲間との関係においても、気負いがなくなったことで、今まで見えなかったこと・気づかなかったことがたくさん出てきた気がします。
実際ADの言うことが最近、何か以前とは違う感じで響くようになってる気がするんですよね、うまく言えないけど。
結局バンドの素晴らしさって、曲がいいとか演奏が巧いとか、もちろんそこは妥協せずに追求し続けなきゃいけないんだけど、最終的にはメンバーが集まった時の佇まいみたいなところに集約される気がします。
フュンガフントさんの音楽がすっと自分の中に入ってきたのも、3人が一緒にいて音を出している、その存在感そのものに私が感じるものがあったからなのでしょう。
別に仕事でも家庭でもなんでもいいんだけど、役割があるって、「よく生きる」うえで一番大事なことかも。
そんなことを考えた、渋谷の夜でした。