布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

最近何聴いてんの?

佐藤「4月だというのに、お寒うございます。カープは連敗脱出もさっぱり打てず最下位だし、はぁ……」

サトー「なんか君に会うのも久しぶりだな。何やってたの、顔も出さずに」

佐「うーん、なんだかやたらとばたばたしてたなぁ、いや、忙しいってわけじゃないんだろうけど、なんかせわしなくて物理的に時間が。やっぱり新年度だからかなぁ、自分としては特に変わりないつもりなんだけど、なんか全体的に落ち着かない感じだよね」

サ「この時期恒例のさ、電車におけるフレッシュマン諸君っているじゃない。あれ、なんで新人ってわかるんだろうね。やっぱり顔つきとかスーツの着こなしとか、微妙に違うんだよな」

佐「すげぇ謎なんだけど、なんか小田急線でも必ず集団出社してるやつがいるじゃん、あれ何なの? 今は研修期間で合宿所的なところから通っているとか、大手企業だから独身寮完備とかそんな感じ?」

サ「おれも前から謎なんだよ。でも5月の連休くらいになると、そういう集団ってきれいさっぱりいなくなって、皆それぞれが不機嫌なサラリーマンの仲間入りを果たすという」

佐「ところで君こそ何やってたの? 全然出てこないけど」

サ「や、僕もなんか落ち着かなくてね。それは時間的・物理的ってこともあるんだけど、なんだか気分的に。その、なんていうか、普通のロックとかポップスが急につまんなく感じられてきたんだ」

佐「またその手の物言いか! いるんだよ、ちょっとテクノかじっただけで『人生観変わった!』とか大げさに言うタイプの奴が」

サ「ま、多分にそういう気もあるが、大枠でロック・ポップスがつまんなくなったっていうのは初めての経験なんだよ」

佐「ふーん。『音楽』じゃなく『ロック・ポップス』と言ってるからには、何か他にキテるジャンルがあるってこと?」

サ「そうなんだよ、もう最近はR&Bばっかり聴いてるんだ。もうグルーヴの弱い音楽がタルくてタルくて。やっぱ音楽は腰にこなきゃだめだよね!」

佐「あー、めんどくさ。で、何聴いてんの? 前にTLCとか言ってたけど」

サ「うん、でもやっぱり基本文化系じゃん、我々。だからあんまりフロア仕様のじゃなくてさ、インドア系R&Bって感じのにハマってるんだ」

佐「へー、そんなのあるんだ。ちょっと聴かせてよ」

サ「例えばこれ、トロ・イ・モワの『Still Sound』」

佐「なるほど、確かにいいね。けどこれってR&Bなの? 普通にロックというか、ポップスなのでは?」

サ「うーん、その辺は難しいなぁ。でもさ、明らかに曲のフロー感がロックのそれとは全然違うでしょ。僕はもともと構築感って好きな要素なんだけど、最近はそれが主じゃなくて従じゃないとどうにも気持ち悪くて。まずはグルーヴがしっかりないと」

佐「トロ・イ・モワってアルバム単位で聴きたくなる感じだね、って最近やたら買ってるのはこの辺か。他にいいのないの?」

サ「はい、the Internetってユニットなんだけど、これはもっと黒いよ」

佐「あぁ、めっちゃいい! そうか、君の求めるところがわかったぞ、要するにスティーリー・ダン的な音を聴きたいってことでしょ」

サ「身もふたもない話しだが、そういうことだね。日本酒でもウイスキーでも、洗練されればされるほど、酒として最も純粋なワインに近付いていくじゃん? すべてのR&BはSDに至る、これ真理ね」

佐「だからディアンジェロにそういうの期待してたけど、あれがあまりに芸術的で理解できず、結局この辺にたどり着いた、と。てことは君、結局ロック・ポップスの洗練版が聴きたいってだけで、別にR&Bに宗旨替えしたわけじゃないよね」

サ「うーん、そう言われればそうかも。なんだよ、人が『これからはブラックだ!』って盛り上がってるのに、アンチ・クライマックスなこと言うなよ」

佐「いや、そりゃここまで皮膚感覚でしみついたものにそうそう簡単に背中は向けられないって。ま、いいんじゃない、この辺面白そうだからもっと掘ってみれば?」

サ「うーん、なんか気に入らんなぁ。もうこうなったら、ギター売っ払ってサンプラーターンテーブル買おうかな」

佐「やめとけって、また数年後にギター買い直すことになって、クルマ一台分くらい借金することになるだけだから」

サ「ぐぅ……」