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布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

街の話

おはようございます、サトー@まくらことばです。

 

実は最近、メガネについて安土桃山的というか不安定な状況に入っておりまして。

えー、私はメガネってたぶん同じ度の設定で7、8本所有しているのですが、そんだけ持ってれば日によって・気分によっていろいろ変えれば楽しいじゃんとか思いつつ、気に入ったものは飽きるまでとことんという性分がたたって、基本的には同じものしかかけていません。

それで去年かな、比較的ちゃんとしたの(セルフレームだけどコンビネーションのやつ)を仕立ててそれなりに気に入って愛用していたのですが、今年の夏に短髪にした際なんだか違和感が感じられるようになり、それ以降5000円の安物セルフレーム、これはもともと釣り用に買ったどうでもいい系物件だったのですがなんか絵的に一番しっくりくるというのでここ数年一番愛用してたもの、こいつをまた登板させる機会が増えてきました。

そんでこれ基本安物であるのに加え登板過多でレンズに無数の微細な傷が入り明らかに視界不良となってきたので、この2代目を迎え入れるべく、ほぼ同じデザインの同じく安物セルフレームを先週作ったのですが、これが同じ度の設定のはずなのに見え方に違和感ありありでかけていると目が回るような気分の悪さなのであまり手が伸びず、結局のところ例の登板過多のベテランに回帰するという状況になっております。

そうこうしているうちに髪がまた伸びてきて、去年仕立てた大型新人をまたかけようかなと実際今日はそっちを着用しているのですが、登板過多の大ベテランに妙に慣れてしまったためか、なんだか落ち着かない気分だったりします。

ドラフト外あたりで拾ってきたまったく期待していなかった選手がいつのまにかチームの大黒柱になり、ボロボロの大ベテランになってもそれを超える若手がなかなか出てこないという状況。

なんだか少し前までの広島カープを想起させるようですが、いろんなメガネがリーズナブルな値段で選べるようになった昨今でも、自分に本当に合った一本を見つけるのは難しいということです。

 

さて前置きが長くなりました、こっからが本題。

最近私はなぜか、妙に新宿づいているというか実際あの街に赴く機会が増えておりまして、この週末も一人で新宿ぶらぶら節を決め込んできたところです。

私は上京して最初は西武新宿線*1沿線、以降は小田急線沿線住民ですので新宿は常にターミナル駅、実際都心に出る際は必ず通過する場所だったりします。

なので新宿は渋谷や池袋などと比べても格段に行った・通過した回数の多い街であり、最もなじみ深い場所であってしかるべきなのですが、どうにも苦手というか、得も言われぬアウェー感がいまだに拭いきれません。

そのアウェー感というのは、たとえば六本木や西麻布に感じるそれ(まぁほとんど行ったこともないが)とは異なっており、なんというか浮足立つ感じではなくて単純に怖い、非常にクリミナルな空気にクリティカルな気分になるもので、己の危険察知能力が鋭敏になる場所が新宿だったりします。

 

新宿ってのはねぇ、なんていうかそこにいる人間の属性がバラバラなんですよ、すんごい雑多。

渋谷だったらトライブはいろいろあっても基本若者、銀座だったら基本中流以上の社会的正規メンバー、上野だったら埼玉系郊外民と下町民とアジア系外国人、まとめて言えば庶民、みたいにある程度階層が絞れるわけですが、新宿だけはそうもいかない。

人ごみの中に大金持ちと前科持ちとサラリーマンと家族連れとホームレスと外国人が高密度にミックスされている。

なんだけど一方ですんごい厳密な棲み分けがあって、歌舞伎町だったらイリーガルな人たち、2丁目だったらレインボーな人たちみたいに明確なゾーニングがあり、さらに細かいメッシュでは末広亭の周辺だけは『東京人』読んでるような人がいたり、御苑の前の道路周辺だけはオシャレなコーヒーミルク・クレイジーがいたり、西新宿の一角にはV系おっかけバンギャがいたりと、とにかくいろんな人たちがそれぞれのトライブであることをはっきりと主張しながらクロスオーバーしているのが新宿という町ではないかと思います。

 

なので新宿には、たとえば下北沢とか御茶ノ水みたいな「俺の街」感がなかなか抱けない。

好きな洋服屋とかギター屋の中にいるとホーム感はあるものの、一歩外に出るとまったくもってマイワールドは消え失せ、ハードボイルドな世界が広がるのであります。

しかし不思議なのは、新宿のアウェー感には疎外感があんまりない。

あの街にはいろんな人がいてそれぞれの個性を強力に主張しているけど、誰もが「俺の街」感を抱かないままそこに集っているのではないか。

それこそギロッポンとか西麻布とかって、いまだにギョーカイ的な人たちが俺の街感を醸成してて、そこに「すんません仲間に入れてもらえないでしょうか」とへいこら入って行かなきゃならん感じがしてたまらなくイヤなのですが、新宿ではみんな等しくアウェーであることを織り込んだうえでそれぞれが自分の属性に正直にいる、そんな感じがします。

そう、新宿ってのは万人に対しフェアな街なんですね。

なので、いつまで経ってもアウェー感がぬぐえないのは当然のことで、むしろその公平さと緊張感が場合によっては心地よいというか、時にたまらなく味わいたくなる、そんな街が新宿なのかなと。

 

私が東京に出てきた頃はちょうどタイムズスクエアがオープンした頃で、まだ南口界隈には昭和の残像が色濃く残っていました。

そして歌舞伎町界隈は今よりももっとイリーガルな空気が流れていて、実際同郷の友達がピンサロでぼったくられた、なんて話もあったなぁ。

南口なんて今も再開発工事が続いていてちょっとサグラダファミリア化しているようにも思うのですが、とにかく新宿は私が知っている間だけでも変わり続けてきました。

しかし今も昔も、あの街に降り立ったときのアウェー感にはちっとも変わりがなく、緊張感に少し背筋が伸びる思いを抱きます。

最近は少しずつですがお気に入りのお店や場所も増えてきたので、疲れたらそういった場所に退避すればいいと思えるようになり、そうなると自分の中で、新宿はぶらぶら歩きに最適の場所になってきたかもしれません。

いつまで経っても慣れない新宿の街をこの先も好きになることはないと思いますが、いつでもあの、上京したての気分を思い出させてくれる場所として、これからも折に触れてぶらぶらするんだろうな、そんなことを感じるのでした。

*1:不動産屋には「荻窪」ということで紹介された物件。荻窪駅からバスで15分って、最寄りじゃねぇじゃん。あと西武新宿駅新宿駅と離れていることを住み始めてから知って愕然とした。