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布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

ジャズの話(後編)

サ「さぁ、今日は余計な話は抜きで本題に入ろうぜ! そもそもジャズってのは……」

佐「(サを遮って)その前にさ、バラエティ番組史上におけるとんねるずの功罪と立ち位置って話しない?」

サ「ダメ! その話題はあなた、必ずヒートアップするでしょ。『おれは80年代から木梨憲武を否定してた』とか鬼の首とったような感じで。いいから今日は本題に入るの!」

佐「じゃあ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』がなんであんなに面白いか、ってのはどうよ」

サ「うっ……それは語りたいことが山ほど……ダメダメ、ジャズの話なんだから! あ、でもマドンナに推奨する人物として、女優の岩崎ひろみなんていいと思います。あと河合美智子とかいい気がする、ってすでに出てたっけ?」

佐「えー、ジャズというのはロックより全然歴史が長い音楽でありまして、一口にジャズと言ってもいろんなのがあると。いまここで言うジャズってのは、30年代あたりに流行ったビッグバンドスタイルじゃなく、50年代に始まったいわゆるモダンジャズってことでいいよね」

サ「……こっちが喰い付いたら肩すかしってあんた、ホント性格悪いな! うんそうだよ、モダンジャズな。モダンジャズの定義ってのは何なの?」

佐「それはまぁ各自グーグル先生に聞いてほしいんだけど、まぁトリオとかカルテットくらいの編成で、インプロビゼーション(即興演奏)主体の、って感じじゃないかな」

サ「そう、もちろん曲は決まってて大まかな進行もあるんだけど、基本インプロなんだよね。だからジャズのミュージシャンってのはさ、ものすごいペースでレコードをつくっちゃうんだよね」

佐「ブルーノートにしてもさ、黄金期は1500番台と4000番台なんていわれるわけだけど、それだってコレクションするのは大変だよね」

サ「うん、だから聴きたいけどどっから手をつけていいのかわからない、ってのがあると思うね。あ、ブルーノートとはレーベルのことで、モダンジャズの名盤ってのはここからたくさん出ている」

佐「ほかにもヴァーブとか名門レーベルはあるんだど、モダンジャズにおけるブルーノートってのは朱雀大路みたいなもんで、必ずそこを歩むことになるふっとい道ですわな」

サ「それでロックだとさ、自分の好きなアーティストから始めてその人のルーツとかを掘り下げていく、なんて広がり方が一般的だけど、ジャズはどうやっていけばいいかね」

佐「うん、『ブルーノート入門』みたいな本がよく新書とかで出ているからさ、それに従って聴いていくのもいいよね。そもそも君はどうやってジャズに入っていったの?」

サ「最初はさ、渋谷系の文脈でアシッドジャズみたいなのを聴いてたわけ。マンフレッド・マンのインストアルバムとかさ。それから次第に興味が膨らんでいって、最初に買ったジャズのアルバムがこれ」

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佐「おお、ビル・エヴァンスの代表作のひとつ、『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959年)だね。ちなみにこれのレーベルはリバーサイド。モダンジャズの記念碑的な作品で、最初の1枚にして究極の1枚にもなり得る名盤だ」

サ「これをね、当時CDウォークマンに突っ込んでさ、理解できるまでひたすら聴きこんだ。そんで何がわかったってわけじゃないんだけどね、ジャズってのはこんな感じなんだなというのがなんとなくつかめた気がする」

佐「これ、そういう意味ではお勉強にはうってつけの1枚だよね、モードジャズのなんたるかみたいなさ。シャンソンのスタンダード『枯葉』がとくに名演と言われているんだけど、『枯葉』はいろんなミュージシャンに演奏されてるからさ、のちのちいろんなレコードを聴くうえで『あ、「枯葉」をこの人はこう演ってるのか』みたいな発見にもつながるよね」

サ「でさ、しばらくはエヴァンス先生のアルバムを他にも買って聴いていたんだけど、ここで自分のジャズの好みが作られたというか、おれはピアノジャズが好きだなという感じになってきたんだよね」

佐「はいここ重要。ジャズってさ、メインとなる楽器で分類できるんです。そんでそれぞれの楽器の名手がいて、トランペットならマイルス・デイヴィス、サックスならジョン・コルトレーン、ギターならウエス・モンゴメリー……みたいに誰もが聞いたことのある名前が出てくる。もちろんリード楽器だけじゃなくて、ベースやドラムを前面に出した作品もあってさ、楽器およびプレイヤーで分類されるのが大きな特徴だよね」

サ「そんで僕はピアノを掘り下げてみようと思ったんだね。なんだけどビル・エヴァンスってのはこのルックスどおり神経質っぽくってさ、あんまりポップって感じじゃないのね。自分はやっぱりポップなのが好きだからさ、次第にそういう方面を探していくわけだけど、そこで出会ったピアニストがソニー・クラークなわけですよ」

佐「君がもっとも好きなジャズピアニストだね。じゃあここで1曲聴いてみようか、アルバム『ソニー・クラーク・トリオ』から『時さえ忘れて』」


Sonny Clark - I Didn't Know What Time It Was ...

佐「うん、これはエヴァンスのアカデミックな感じと違って、口ずさめるくらいのポップさだね」

サ「やっぱりこのわかりやすさがさ、硬派のジャズファンからはバカにされてるフシもあるらしい。でも日本のジャズ喫茶なんかでは本国以上に人気があるみたいだね」

佐「すごく軽やかで楽しい。なんだけどやっぱり、モダンジャズの洗練みたいなのもあってこれはいいね。ちなみに栄光のブルーノート1500番台ですねこれは」

サ「そんでソニー・クラークいいなぁ、最高だぜと聴いているうちに、この系のピアニストをもっと知りたくなってね。次にたどり着いたのがホレス・シルヴァーですよ」

佐「これまたブルーノート黄金期を支えた一人だ。じゃあまた1曲聴いてみようか。アルバム『ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ』から『セント・ヴィタス・ダンス』」


Horace Silver Trio - The St. Vitus Dance - YouTube

サ「うーん、このファンキーなタッチ、たまらんかっこいいね!」

佐「これはさ、それこそロック/ポップスが好きな人に向いてるよね。ジャズのしかめつらしい感じとは無縁、体が自然と動き出しそうなグルーヴがある」

サ「このアルバムはさ、こういうファンキーな曲もあればすごく渋い曲もあるし、これぞハードバップという名盤だよね。自信をもっておすすめできる」

佐「ジャケットもかっこいいしね。ちなみにホレス・シルヴァーは今年の6月に亡くなったばかりです。モダンジャズ全盛期を作った貴重な生き証人だったわけだね」

サ「こんな感じでピアノ系を探っていって、自分の好きなアルバムを見つけていったという。もちろん、これ以外に名盤といわれるものはいろいろ聴いてみたんだけど、結果このあたりが自分としては聴いてて気持ちいい感じになってきた」

佐「だからまずはブルーノートの傑作みたいなのから始めて、次第に『自分はこれかな』というのを見つけるのが楽しいよね」

サ「あとさ、ちょっとヴォーカルものを最後に紹介しない? インストだけがジャズじゃないってことで」

佐「そうだね。我々がピアノの次に掘っていったのはヴォーカルものだもんね。えーとそうだな、軽快なのを2曲かけたから、ちょっとしっとりめでいこうか。えー、エラ・フィッツジェラルドで『ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ』」


Ella Fitzgerald - What Is There to Say? - YouTube

サ「これはね、お酒を飲みながら聴くと本当にいいだろうね」

佐「あるいは夜の首都高を走ってるときこれがかかったら、ちょっといい感じだよな」

サ「いや、夜の首都高といえばドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』一択でしょう!」

佐「あ、その話に行っちゃう? スティーリー・ダン~フェイゲン界隈、行っちゃうついに?」

サ「ついにって今までも散々してきたでしょその話。だいいち最近あんた出過ぎだから当分出てこなくていいって」

佐「んじゃサトーさんこう言ってるんで、また気が向いたら出てきます、バイナラ、ラナイバ」

サ「わっ、最後に斎藤清六かよ!」