布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

私の好きなキラーフレーズ

おはようございます、サトー@まくらことばです。

誰もが口を揃えて言っておりますが暑いです、まったく馬鹿げた暑さです。

 

さて、去る土曜日は練習だったのですが、私にはあの日、なぜか唐突に「SAY YES」ブームが到来しまして、あの曲の歌詞を引用しては人に絡むというタチの悪い行動を繰り返しておりました。*1

そんな感じで私は、たまに曲単位でブームが訪れて、やたらとその曲のフレーズをサンプリングしては一人でニヤニヤ笑いという現象に見舞われます。

言うまでもなくこれは、大いにネタ的取り扱いに由来する祭りで、私の性格の悪さがいかんなく発揮されたものなのですが、確かにそういった曲に見られる洗練と対極にある詞世界は、一周まわった感があるにしてもどこか人を惹きつけてやまないものがあります。

そこで今日は、過去何度も無意識に口をついて出てきては、私を笑いとツッコミ衝動に駆り立てた歌のフレーズを紹介したいと思います。

 

「いよいよ壁はなくなるぞ」(「Deep Impact」より)

はい、DA兄さんの絶頂期を代表する一曲より、おなじみのフレーズですね。

いやこれね、まず「何の壁だよ?」ってツッコミが無条件に入る脇の甘さもさることながら、この緊迫感というかマジ感がたまらなく可笑しいんですよね、ダミ声で気合い入れてっぞ!という。

これはね、ちょっと深刻な感じ、進路指導の教師が模擬試験の結果が芳しくない生徒に脅しをかけるような感じで言ってもめっちゃ面白いんですよね、ちょっとタメを作ってから語尾に疑問調(に見せかけた反語)を混ぜる感じで、「……いよいよ壁、なくなるぞ!?」みたいな。

で、ホントこれ何の壁だったんでしょうね、そこは純粋に疑問今だに。

ロックとヒップホップ? 音楽業界と芸能界?

 

「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」(「Diamonds」より)

はい、この国に知らぬものはいない、PP姉さんの大ヒット曲ですね。

これはね、今もよくやってるテレビの定番コンテンツに「警察24時」ってあるじゃないですか、密着ドキュメント。

あれって実は時代によって傾向があって、今は「不審車両に職質したらパケが出てきた」ってのが鉄板なんですが、90年代までは「風俗および水商売に従事する不法入国外国人の一斉摘発」ってのが見せ場だったんですよね。*2

そんで昔は中国系よりフィリピンとかそっち方面の方々が多かったんですが、ガサ入れの際、ピーナたちは決まって「ワルイコトシテナイヨ!」って言うんですね。

それに「ダイアモンドじゃん!」っていっつもテレビに向かって突っ込んでたものだから、今では逆にこの曲を聴くとあの番組を思い出して笑えてくるという。

 

「高級レストランもそう 真珠もそう」(「ズルい女」より)

もうね、自分的にはこれを超えるフレーズってないんですが、大阪の生んだミクスチャー(笑)バンド、おなじみのヒットナンバーですね。

これ正確には「高級レストラン」は「花束」と、「真珠」は「気持ちいいこと」とセットになっているんですが、該当2件の破壊力があまりにも凄いので、自分の中ではこれがニコイチになって記憶収納されているんです。

まずさ、「高級レストラン」て!

いや、この尺にこの意味合いの言葉を入れるのって難しいってのはわかるんですよ。

たぶんこれ、松本隆系の作詞家だったら固有名詞を用いるか、そこまでいかなくても「フレンチ」とか「イタリアン」とか用いると思うんですよね、極限でも「三ツ星レストラン」あたりかな。

そこにきて「高級レストラン」ですよもう、意味はスコーンと通るけど詩情ゼロな!

もうさ、そこはかとない昭和感というか、デパートの7階あたりを想起させるような庶民感がたまんないよね、「高級レストラン」。

そんでもってトドメは「真珠」ですよ「真珠」、「レディス4」でやってる三越のテレビショッピングだよねもう。

若き男女間での贈り物が「真珠」って想像しただけで可笑しいんだけどさ、「まぁ冠婚葬祭には重宝するか……」とか考えるとますます(笑)

そんでもってこのキラーフレーズの使用法もおっかしくてさ、「~もそう、~もそう」っていう盤石のアリモノ感で包み込んだあたりもいいよね、そんなすんげぇ引っかかる言葉を「当然そうでしょ?」みたいに言われても!みたいな。

 

……えー、以上は決して馬鹿にしてるわけじゃなくてね、やっぱりこのへんの突き抜けた感じって、プロの作詞家からは絶対出てこないものだろうなと。

「洗練」とか「詩情」とは無縁の、こういった力技的なフレーズを生み出せるのって、ある意味天才的っていうか、少なくとも天然なところがないとできないんですよね。

いや、この天衣無縫な感じって単純にすげぇし面白れぇなあ! って話でした。

*1:①仕事でお疲れなんでしょう、「寝てた」ということで練習に現れなかった助っ人Nくんに対し、「愛には愛で感じ合おうよ!」とメール。②練習後、下北でADと飲んで酔っ払って夜中に帰宅、完全に寝ているカミさんに「余計なものなどないよね?」と質問し続ける。

*2:「新人女性白バイ隊員の奮闘記」ってのは時代を問わず鉄板。