まくらことばのこと
お久しゅうございます、サトー@まくらことばです。
私がニューカレドニアに行っている間に*1日本はすっかり梅雨入りですか、今日も昨日からのまとまった雨の週末となっております。
さて、このブログを開設して1年ちょっとですが、この間、私はしばしばメンバーよりお叱りともいえるツッコミをもらってきました。
「あれは書いちゃだめだよ」「あれは言うべきではなかったね」「ああ書いてたけど本当にそうなの」的な。
や、別にそれに対して腹が立ってるとか、こっちにはこっちの言い分があるんだコノヤローとかって話じゃなくて、私本当にその辺のガイドラインがわからないというか、自分の発信するものに関して、「ここまではアリ、こっからはナシ」という線がわからない男なんですね。
とにかくね、面白いと思ったら、それを第三者の方が読んでちょっとでも意味があると思ってもらえそうであれば、何の見境もなく発信しちゃうわけですよ、これはもう業(ごう)ですな、まじで。
よく言えばサービス精神ってことなんでしょうが、それが時として誰かを傷つけたり、不快にさせたり、「ちょっとどうなの」と物議をかもしたりみたいなことは、実はガキの頃からしばしばありました、そうだよね同郷の皆さん。
なんでこんなくどい前置きをするのか。
5/28のライブからこっち、(動的な意味でも静的な意味でも)何があって、どういう結論に至ったのか、それを書くにあたり、やっぱり上記のような私の“業”を起動させるわけにはいかんだろうと。
なぜならバンドというのは異なる個性をもった人間の集団であるわけだし、私には計り知れない思いをそれぞれが抱えていて、その上でかろうじて音楽を通じて成り立っているわけだから、やっぱり自分の思い込みとか推測みたいなものでバンドを語ることはやっちゃいけないと思ったんです、特に現在の局面において。
だから私は、この間のことについて、あくまで自分自身の気持ちとか考えていたことについてだけ、つまり自分が責任と確信を持てる範囲においてだけ述べるという方法を採用して記述していこうと思います。
おのずと自分語りにならざるを得ないことは、ご了承ください。
前回のライブ、「枕じゃなくて招待状」ですが、イベントとしては成功という結果に終わったと思っています。
共演の皆さんにも楽しんでいただけたようですし、何より観に来てくださった方々からも好意的な反応を多数いただきましたので、本当にやってよかったと。
ただ、まくらことばのライブ単体を切り取ってみた場合、非常に反省すべき点が多いと思っていて、率直に言えばひどいパフォーマンスだったとふがいない思いでいっぱいなのです。
そう、こういうことを「わざわざ言わなくていい」「反省は各自でやればいい」とメンバーから指摘されるわけですが、今回のライブ後の心境については、純粋に反省だけで済む話ではなく、それ以前からずっとこのバンドに堆積していた問題、見えないふりをしてきたけど顕在化してどうしようもなくなった問題に、ついに向き合うべき時がきた、そういう話だと僕は思っています。
ライブ後、メンバーで打ち上げ&反省会を行ったわけですが、このような気持ちで臨んだのだから、それなりにハードな展開になってしまったことは想像に難くないと思います。
私はこのバンドをやっていて初めて、「もうどうでもいい」「何もやりたくねぇ」という気持ちになりました。
正直、辞めることを考えた瞬間もあったと思います。
とにかく何を考えても気持ちは沈んでいく一方なので、しばらくはバンドのことを考えるのはやめておこう、冷静になるためにも今は時間が必要だと思いました。
この間の沈黙*2は、そういった事情によるものです。
バンドのことを考えるのはやめておこうと思っている間、まくらことばは当然のこと、私はあらゆる音楽を聴く気になれませんでした。
というのも、このバンドを始めて以降、私にとって純粋な趣味の音楽鑑賞という習慣はどうやらなくなっていたらしく、音楽を聴くという行為はすべて、活動の参考のためにあったのだということに気付いたのです。
なので私はこの1週間、ひたすら欲しい洋服や靴、時計なんかのことを考えて生きていました、おかげで物欲がとんでもなく肥大しましたが。
そんな日々を過ごしながら、頭の片隅ではやはり、まくらことばのことを考えずにはいられませんでした。
このバンド、これからどうなるのだろう、アルバムに収められた曲たちはこの先演奏されるのだろうか……私は言いようのない不安に襲われたし、自分の無責任さにあきれもしました。
そんな思いでいたところ、次のライブのお話が舞い込んできました。
あまりに絶妙なタイミング、私は「渡りに舟」とはこのことだと思いました。
その晩、私は我慢できなくなって、ipodを持ってベッドにもぐりこみました。
山田さん、オザケン、トッド・ラングレン、ビートルズ……他にもいろんな音楽をむさぼるように、中学生の時のように聴きました。
そして、自分もこんな曲が、聴いているだけで涙が出てくるような曲が作りたい、心の底からそう感じました。
そのためには、まくらことばが必要なんだと思いました。
1週間ちょっとという時間は、ひょっとしたら短かすぎたのかもしれません。
まだまだ直視できないようなものが、そこここに横たわっているのかもしれません。
ただ、まくらことばをもう一度よろしくお願いしますと皆さんに言いたくて、今これを書いています。
まだ本決まりでないのですが、そう遠くないうちに次のライブを行います。
それはこの前より持ち時間も短いし、和気藹々とした空気に包まれたものではないかもしれませんが、私は、ファーストライブとも、自主企画とも違う意気込みをいま、胸に抱いています。
そしてバンドには、何か変化が生じているかもしれません。
思わせぶりな言い方なのは、くどいようですがバンドというものが複数の人間の個性がぶつかり合う場である以上、自分の確信がもてる範囲でしか何かを発信すべきでないと思っているからです。
ひとつだけ。
バンドは生身の人間がやっているものですし、特に至らない点が多い連中の集まりなので、これからも紆余曲折があると思います。
しかし曲は、ゆるぎないものだと思っています。
どんなに不安定な人間が演奏しているものでも、時間や空間を越えて聴かれるに値する曲たちに、まくらことばは恵まれていると信じています。
これからも、まくらことばを何とぞよろしくお願いいたします。