風薫る季節
おはようございます、まくらことばのサトーです。
ここにきてお恥ずかしいドタバタ劇をお見せしておりますアルバム制作ですが、歌入れやり直しをなんとか終了し、昨晩ですか、ADに最後の審判を仰ぐべく提出してまいりました。
その前日に渡してチェックしてもらった吹雪様からは、「うーん……98点!」という信じられない高得点をもらいましたが、ADには彼独自のチェック項目があると思いますので、首を洗って彼のジャッジを待とうと思います、じゃぶじゃぶ。
そして昨日夜中、私もなんだかいてもたってもいられなくなり、恒例のカーステチェックにひとり行ってまいりました。
いや、チェックって感じじゃないな、単純に聴きに行ってきたのかな。
多摩川沿いから環八、いつもの通り慣れた道を走りながら、私はじっくりとまくらことばの音楽に耳を傾けました。
ここ最近のやり直しの連続から、正直、もう聴きたくないとまでに思うようになっていたまくらことばですが、昨夜はいちリスナーに戻って、素直に聴くことができたような気がします。
それでね、聴いているとね、いろんなことやいろんな人のことが思い出されてきて、ああ、本当にまくらことばって周囲の人に恵まれたバンドなんだなって改めて思った。
その結果、曲に恵まれたバンドだなってことも。
ホントにみんなに、素晴らしい曲を贈ってもらったと思います。
そして、音楽ってすごいな、嘘がつけないなって。
やっぱり音楽って、最終的には人なんですよね、もう圧倒的にそう。
どんなにかっこつけてもやってる人間の本当の姿が見えてしまうというか、音楽の前では一切のごまかしがきかないんだよね。
だからもう、このアルバムは僕たちそのもので、なんの衒いも飾りもなく、「こんなふうに生きてきました」ってのが詰まってるの。
最終段階で曲を減らしたのも実はそういうことで、もちろんエンタテイメントには虚構が必要だし「素晴らしい嘘」のある作品はいくつもあるわけですが、今回の自分たちのアルバムについては嘘や借り物は一切いらないと判断して、実際そういったものができたと思います。
聴いた人がどう受け止めるかなんて僕らにはわからないし、いいと思ってくれるか、つまらないと思うか、それは本当に委ねるしかないんですが、少なくともオリジナリティという部分では絶対の自信をもって、この盤をみなさまにお届けします。
今もマスタリングCDをラジカセで聴きながらこれを書いています。
窓からは5月の清廉な風が少し入ってきて、一年のうちで一番いい季節の到来を肌で感じながら。
風薫る5月7日、まくらことば「枕じゃなくて招待状」がリリースされます。