布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

「HYPER FOLK」買いましょう!

おはようございます、サトー@まくらことばです。

昨日の天気予報をそのまま受け売りすると、明日が寒さの底、あさってには春一番が吹くといいます。

その後何日か寒の戻りがあって、それを抜けたらいよいよ春到来。

長かった冬もいよいよ終わりを告げ、新しい季節の始まりの気配に少し浮足立つような朝を迎えております。

 

さて、3月5日発売のbonobosの新しいアルバム、「HYPER FOLK」はもうお聴きになったでしょうか。

これはね、本当にもう掛け値なしの名盤、どえらいことになってますよボノボ

こういう凄いレコードを作るアーティストが同時代に活躍していて、しかも自分と同年代の人たちだっていうのは、なんていうか励まされるし、私全然関係ないいちファンに過ぎないんですがすごく誇りに思うっていうか、とにかく一人でも多くの人にこのアルバムを聴いてほしいと思います。

 

なんかね、ボノボってもう圧倒的なんですよ。

もともとレゲエ、ダブ、スカなんかの影響色濃いポップス、そう、フィッシュマンズとかポラリスとかあの辺のイメージのバンドだと思うんですが、最近の彼らは「チェンバーポップ」と呼ばれているそうで、それは管弦楽器をふんだんにとりいれたポップス――といってもストリングス入れて情緒に訴えるJ-POP文脈の“ナキウタ”とはまったく違うんですが――らしく、荘厳でありながらポップでどこか懐かしい、そんでもって決定的に新しい、唯一無二の境地に至っているのが今のボノボではないかと。

オリハルコン日和」、これも名盤ですが、このあたりまではまだ歌モノの範疇に収まっていた気もするのですが、「ULTRA」から今回の「HYPER FOLK」に至ってはもうすんごいことになってて、歌モノとかやってる場合じゃねぇなこりゃと思い至るわけであります。

しかも「HYPER FOLK」はね、「ULTRA」ではまだ色濃かった実験色が見事に消化されたというか馴染んでて、グッドメロディと喚起させる言葉という彼ら本来の強みがすごく光ってて。

「HYPER FOLK」はやっぱり、一度は歌詞カードをじっくり眺めながら聴くといいと思います。

 

特にね、「三月のプリズム」、この曲はすごい。

あんまり作品について解釈とかいっちゃうのって野暮だってわかってるんだけど、これね、私は3.11のことを歌ったものだと思うんですね。

あの地震津波、それにともなうあらゆる災害には多くの人が傷ついたし、今もその傷は癒えていないんですが、3年経ったいま何が言えるだろう、私たちはどうやってこれからの未来をつくっていくべきなんだろうって考えたとき、この「三月のプリズム」がね、新しい出発の目印になるような気がするんです。

この曲はね、なんていうんだろう、総合的なの。

ここにはまず深い鎮魂があって、再生の力強さがあって、そして新しく始まる暮らしへの祝福がある。

曲調もめまぐるしく変わって、それこそ1曲に3曲分くらいのアイデアを詰め込んでいるんだけど、それらいろんな要素を力強いピアノタッチで一気にまとめて昇華させるところなんかはもう、あの「A Day In The LIfe」の不協和音の高まりを解き放つラストの“じゃーん”に匹敵する音像を築いていると思います。

 

今のボノボを表現するのに一番しっくりくる言葉って「サウンドスケープ」だと思ってて、なんていうのかな、音が風景を喚起させるというよりも音そのものが風景というか、音に包囲されてそこで見える景色がもう他にないんだよね、圧倒的なサウンドスケープ

とにかくですね、今この国に凄いバンドがいて凄い音を出してると。

この事実が嬉しいし、もっと多くの人に聴かれるべきだと思うんですよ。

えー、「HYPER FOLK」は2730円ですか、今もっとも価値のある2730円の使い方がこのCDを買うことだって断言できますね。

昨日のライブは行けなかったんだけど、6月のツアーは必ず私も観に行きます!