布団あります まくらことば活動日記

歌ものロック/ポップスバンド、まくらことばのブログです。

スターキャスターが出るってよ!

こんばんは、狂@まくらです。

いやはや寒波到来で東京でも耳がちぎれそうな寒さですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

私は先ほど、恒例の11キロランニングから帰ってきたばかりですっきりした気分ですが、さすがに走りに行くまでの腰が重いというか、えいやっ!の気合が必要になります。

でも走り出してしまえばやっぱりこの寒さの中でも汗だくになるもので、むしろタイム的には寒くなればなるほど好調、最近は1時間を切るようなペースで走ることができるようになりました。

なんですが手先の寒さ対策は当然必要で、これには以前ADのお店で見つけたロシアの手袋が大いに機能しているのであります。

 

さて、今日は久しぶりにギターの話をさせてください。

というのも、フェンダー社があのレアアイテム、スターキャスターを復活させるという情報を知った私は、ちょっとしたお祭り状態に突入しているんですね*1

スターキャスターというのはフェンダーが70年代の中盤に数年間だけ生産していたギターで、ギブソンES-335に対抗すべく、フェンダーが満を持して発売したセミアコースティックギターです。

335同様、大きめのセミアコボディにハムバッキング2基搭載という仕様なのですが、そこはフェンダー、メイプルネック&指板、ロングスケール、ボルトオンネックというギブソン系にはない特徴を備えていたのでした。

コントロール系統は2トーン、2ヴォリュームに加えマスターヴォリュームノブが追加されていて、これも335にはない特徴で。

ヘッドはフェンダーらしくノンリバース6連ペグで、一般的なセミアコのイメージからいって一番ルックス的に違和感があるのは、このあたりではないでしょうか。

まあいいや、百聞は一見にしかず、こんなギターです。

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でね、なんでこのギターの復活に私が盛り上がっているかというと、このスターキャスター、まさに私が初めて買った、アメリカメイドのギターなんですね。

たぶん1997年でしょうか、それまで私はフェンダージャパンとかエピフォンのギターをとっかえひっかえしていたのですが、一念発起してアメリカもの、それもヴィンテージを買ってしまおうと決意して最初に手に入れたのが、1976年製のスターキャスター*2、色もまさにこの写真と同じナチュラルでした。

当時、スターキャスターはフェンダーの失敗作として記憶されるレアというよりは単なる不人気ギターで、有名なギタリストでこれを弾いていたのはミーターズのレオ・ノセンテリくらい。

このギターが中古市場に出てくること自体レアなのですが、当時はそれを買おうという人もほとんどいなかったようで、御茶ノ水の楽器屋の片隅でほんとにひっそりと売られていました。

なぜこのギターをローンを組んでまで買おうと思ったかというと、当時私は、GS~モッズ界隈に夢中になっており、その流れでいわゆるビザールギター*3が欲しくてたまらなかったのですが、実際使えるビザール物件はあまりなかったわけです。

で、スターキャスターもビザールの文脈で知ったギターなのですが、天下のフェンダーが作ったギターなので、モノ的にはしっかりしてるだろうと。

つまりビザール的価値観と安心感を両立した物件としてこのギターにとびついたわけですね。

 

さてこのスターキャスター、すぐにバンドでも使ってみたのですが、当時の私の技術と知識では、どうにも上手く鳴らすことができませんでした。

当時から私は、クリーントーンのコードストロークが主体のスタイルなのですが*4、そういうギター弾くんなら、どう考えても王道のストラトテレキャスがぴったりなんですね、もう音作りが圧倒的に楽なの。

対してスターキャスターは、PUにパワーがある分セッティングをうまくやらないとナチュラルに歪んじゃうし、シングルコイルのようなヌケのいい音を出すことがなかなかできなかった。

そんでフルサイズのセミアコだからすげえ重いしさぁ、喜び勇んで買ってはみたものの、すぐに「あれれ!?」って感じになっちゃったんですね。

そんでその後、当時は梅ヶ丘に住んでいたのですが、近所の楽器屋でマーチンのM38というアコギの出物を見つけてしまい、そいつを迎え入れるためにスターキャスターを下取りに出してしまいました*5

結局スターキャスターが私の手元にあったのはせいぜい半年くらい、初めて決意して買ったアメリカものにしては、あまりにあっけない所有歴の1本となってしまったわけです。

 

ところがこのレア、もとい不人気なスターキャスター、その後レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが愛用し始めて爆発的な人気モデルとなり、中古市場ではたちまち価格が高騰。

私は18万円でそこそこの程度のものを買いましたが、一時は相場が60万円くらいになったというちょっとしたバブルがやってきました。

嗚呼、同じ手放すにしても、もうちょっと我慢してれば買った値段以上で売れたかもしれないのに……!

いやそれ以上に、あのギターを弾きこなせなかった自分が悔やまれるというか、もう一回弾いてみたいギターの筆頭なんだよなぁ……。

 

ま、そんなこんなで私にとっては悲喜こもごも、思い出深いギターがフェンダー・スターキャスターなわけです。

 

そんでここにきてスターキャスターの復刻ですよ、そりゃ気になるに決まってるわけで。

すでにアメリカでは売られているというスターキャスター、これが2013年モデルの御尊顔です。

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うおー、まごうかたなきスターキャスター、まさかこんな日が来るとは!

カラーは写真のサンバーストのほかにナチュラル、ブラックがあるそうです。

いまだ日本に導入はされておらず価格は不明なのですが、モダン・プレイヤー・シリーズということでたぶんメキシコ製でしょうから、価格もかなり抑えめなのでは。

ということで日本で発売された日にゃ争奪戦は必至、おれも参戦すんのか!?と非常に盛り上がっているわけなんです。

 

なんだけど、あれれ、よく見るとこいつはオリジナルと結構違ってるぞ!?

まずマスターヴォリュームノブが省略されてる。

まぁあれはあってもいいけどなくてもいいもんだから機能的には問題ないけど、ルックス上の大きな特徴ではあったんだよなぁ。

あと決定的なのが、ブリッジが全然違うじゃん! ってこと。

オリジナルはサドル一体型で弦は裏通しなんだけど、復刻はギブソン風のチューンオーマチック+ストップテイルピース仕様になってるじゃあーりませんか。

これはすごい決定的なことで、かねてから私、「エレキギターの音色を決定づける最大のパーツはブリッジ」という持論を展開している関係上、まるで別モノのギターと判断せざるを得ない。

オリジナルが良くて復刻がダメという話では全然ないんだけど、とりあえず別物、忠実度という尺度においては“のようなもの”という物件でしょうね。

 

うーん、でもこれすんごい気になる一品であることに変わりはなく。

とりあえず山野楽器がこいつを導入していくらで売り出すのか、注視しておきたいと思います。

もしも、もしもね、マンマンガイチ買うとしたら、やっぱり色はナチュラルかなぁ。

あ、でもそしたら335と同じだからやっぱり黒がいいのかな……

っておい、何言ってんだおれ!

*1:でもこの情報自体は、去年の秋ごろフェンダーのサイトで発表されてました。

*2:97年時点で76年製ギターは、ヴィンテージというよりは中古の範疇でした。だからこそ買える値段だった。

*3:ビザール:奇妙な、怪奇な。B級ともちょっと違うニュアンスで、ギターで言えば60年代日本製のテスコとかグヤトーン、アメリカものではダンエレクトロなんかが代表的。

*4:スタイルっていうか、それしかできないという。

*5:そのマーチンM38は後年、生活苦のために手放してしまいました……