Add Some Music to Your Day
おはようございます、まくらことばの幹事長、サトーです。
昨日ですね、itunesをテキトーに流していたんですが、久しぶりに聴いてはっとさせられたというか、やっぱりいいなぁと思った曲がこれ。
The Beach Boys - Add Some Music to Your Day ...
ビーチボーイズが1970年に発表したアルバム「サンフラワー」に収録されている、「Add Some Music to Your Day」という曲です。
「君の一日にいくらかの音楽を」ってな意味でしょうか、まずタイトルがすごくいい。
歌詞もこんな感じで素晴らしいんです。
日曜の朝のゴスペルが心にひびく/ブルース、フォーク、カントリー、それに“転がる石”だって
太陽の下ですべての人が毎日にいくらかの音楽を添えるなら/世界は一つになれるかもしれないね
散歩をすれば近所の家から聴こえてくる/電話をすれば受話器からかすかに聴こえてくる
歯医者の診察台に座っているときだって/君の一日に音楽は寄り添っているんだ
いつだって音楽が寄り添っているのさ
音楽が心を癒すことを医者は知っている/牧師は教会に音楽を取り入れた
だから君の一日にも音楽を
一人ぼっちのときだって孤独な心には音楽が寄り添うから
映画を観て心が震え/夏の日は子どもたちがアイスクリーム屋を追いかける声が聞こえる
どんな日だっていろんな音が聞こえてくる
いろんなやり方で/君の一日にいくらかの音楽を寄り添わせてみようよ
これ、作詞のクレジットは複数の名前が挙がっているんですが、私の個人的予測ですけどマイク・ラブが中心になって書いたんじゃないかと(とくに最初のヴァースとか)。
いかにも、あの「ウイルソン兄弟のいとこのおっさん」が書きそうな、底抜けの明るさというかまっすぐさというか、世界と自分を愛してやまない感じが出ているように思います。
マイク・ラブの天衣無縫な無邪気さって、時にブライアン・ウイルソンを苛立たせたのかもしれないけど、トータルで考えると、ブライアンの天才と同じくらいビーチボーイズの宝だったんじゃないか、なんて思うなぁ。
これまた昔mixiに書いたことなんですけどね、誰でもあると思うんですが、ワタクシ一時期、音楽を聴くことから遠ざかってたときがあったんです。
なんていうのかな、若い時の、それこそ「No Music,No Life」な音楽との付き合い方が、急にキツくなってきたというか、なんかちょっと違うなって思い始めるっていうか。
本当に若い頃って、「音楽なしじゃ生きていけねぇ!」ってすごくリアルに感じてたんですが、次第に「音楽がないと乗り切れないような生活って今の自分にはキツいなぁ」みたいな感じになってきて。
タワレコとか行っても、なんかもう「これ聴け!」「これ聴いてないの!?」みたいな圧が四方八方からどっと押し寄せてきてぐったり、みたいな感じだったんです。
そんな時に出会ったのがこの曲で、すんなり心に染み込んできたというか。
まぁ音楽に疲れて、その癒しを音楽からもらうってのも因果な話ですけど、「君の一日にいくらかの音楽を」っていうスタンスが、すごく自分にぴったりきたんです。
そういった気分って今も継続中で、聴く分にも自分でやる分にも、基本的な心構えは「No Music,No Life」じゃなくて、「Add Some Music to My Day」あるいは「Add Some Music to Your Day」かなと思う次第です。
そんでこれ素晴らしいのが、「Some」という言葉のチョイス。
「This」だと押しつけがましいし、「Any」だとなんかやけくそだし、「The」だとなんか胡散臭いし。
「Some」っていうのがね、もうこの曲のイメージを決定するくらい絶妙なんですよね。
ちなみに山下達郎先生がシュガーベイブ以前に作った自主製作盤のタイトルが「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」。
なんかもう、「はぁ~っ」て唸るしかないっす。